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動態と作用分解経路土壌中の動態 水中環境での動態 植物動態と代謝 水生生物の生体蓄積および代謝 陸生動物の動態と代謝 分解経路クロルピリホスは分解性化合物で、さまざまな環境的要因が分解作用を促進します。すべての要因(土壌、水、植物、動物)において、主な分解経路はリン-エステル結合の分裂から始まり、3,5,6-トリクロロ-2-ピリジノール(TCP)を生成します。この最初の段階は無毒化で、TCPは殺虫力がないので、規制当局から毒性学的に重要でないとみなされています。土壌と水の中でTCPは微生物と光分解の作用により、二酸化炭素と有機物に分解します。動物においてTCPは体外へ直接あるいは抱合され、排出されます。植物においてTCPは液胞などに隔離され、不活性化されます。 土壌中の動態クロルピリホスは直接散布、または噴霧によるドリフト・葉面からの流亡などにより土壌環境へ入ります。研究室で実施された残留試験(容器内試験)では、クロルピリホスの分解性は中程度で土壌粒子とよく結合するため、地下水への浸出を抑えます。 通常の散布量で散布した場合、一般的な好気性土壌分解半減期の範囲は約1~2ヵ月です。微生物分解と好気性分解(加水分解)が土壌からの消失に重要で、特にアルカリ性土壌でのクロルピリホスの分解において、好気性分解は重要です。 クロルピリホスの土壌吸着係数(Koc)は5000以上で、土壌及び土壌内の有機物によく吸着することを示しています。従って、クロルピリホスは「非移動性」の分類に入り、野外散布試験でもクロルピリホスの下方移動性は非常にわずかであることが確認されています。土壌への吸着力が強いこと、及び急速に分解することにより、農業に使用する場合には表面流出の可能性がごく少ないことが考えられます。大規模な野外流出試験結果では、比較的激しい条件下(散布後の大雨など)でも、農耕地の外へ移動したのは散布量の1%以内でした。 水中環境での動態中性純水中でのクロルピリホスの動態に関する室内試験では、加水分解と光分解が中性状態下で中程度の割合で発生しました。加水分解と光分解の半減期は、両者とも中性pH、25℃の状態の場合約1ヵ月です。アルカリ性が強くなると加水分解速度が速くなり、半減期はpH 9 で約2週間でした。また、自然水を用いた試験では分解は非常に早く、池と用水路の水では、加水分解が純水中より16倍も加速されました。水生態系で行われた野外試験の結果も、クロルピリホスが自然水系から急速に消失することを裏付けています。水中半減期は1日以内というのが一般的で、これは分解、蒸発、堆積物への移行などの複合的作用で水相から消失するためです。堆積物への消失率は土壌への消失率と同様でした。 植物動態と代謝温室と野外で行われた試験結果では、土壌中のクロルピリホス残留物質が、植物の根から植物体内に移行しないので、クロルピリホスが浸透移行性農薬でないことを示しています。また、散布されたクロルピリホスは植物の葉面から急速に蒸散します。一般的に葉面からの蒸散による半減期は1~7日です。芝草や藁などからの蒸散率は少し長く、半減期は通常7~10日となっています。葉面散布後、植物組織に吸収された少量のクロルピリホスは、直ちにTCP(代謝物)に代謝・無害化されます。葉面の残留物は一般的に総残留物の10%以下で、半減期は通常0.5~3日です。 水生生物の生体蓄積および代謝微量のクロルピリホスが水中に移行した場合、魚を始めとする水生生物に吸収されます。報告されている魚の水生生物濃縮係数(BCF)は100から5,100の範囲で、これはクロルピリホスが水から組織へと分配する性質を表しています。重要なことは、魚や他の水生生物によって吸収された残留物は速やかに無害化されて排泄され、結果的にクロルピリホスは生体内蓄積性化合物ではないので、食物連鎖上方の動物が摂取しても濃縮することはありません。排出半減期は魚で0.6~3.4日、牡蠣で1.6~2.2日という実験結果が出ています。魚体内でクロルピリホスは、TCPを始めTCPグルクロニド複合体などさまざまな代謝産物に変化し、形成されたTCPと複合体は周辺の水域に排泄されます。 陸生動物の動態と代謝食物から摂取されたクロルピリホスは、速やかに吸収され吸収率は41~72%となっています。一方経皮摂取は、種によって大幅に異なるという試験結果が報告されています。哺乳動物における経皮摂取の場合、吸収率はヒトで1%と低く、ラットで60%と高くなっています。それに比べ、対象昆虫のクチクラからの摂取は90%に達します。哺乳動物、鳥、昆虫は速やかにクロルピリホスを代謝します。主要な代謝物TCPは、それ自体は速やかに排泄されるか抱合体となります。動物におけるクロルピリホスの代謝は、ラットで経口摂取後排出半減期17時間という結果が出ています。 |
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